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モバイル学会「シンポジウムモバイル2007」 発表
「カメラ付き携帯電話を利用した送り火中継における撮影者の傾向」
藏野文子, 宮南雅也, 鶴本顕一郎, 加藤康朝, 播口光(株式会社 東京糸井重里事務所)
背景・目的
近年携帯電話の普及が目覚ましく、高機能化が進むと供に、通話やメールだけではなく、日常的にショッピングやSNS(ソーシャル・ネットワーキンクサービス、以下SNS)、検索の利用等、インターネットの利用も多くなってきている。携帯電話のほとんどには、カメラが装備され、何気ない日常の風景や物事の撮影に気軽に利用されている。
最近、携帯電話への中継には、オーロラや桜、ファッションショー等の配信も行われている。このように携帯電話を用いた利用方法や情報発信される情報の内容は、様々な様子を呈している。
筆者らは、2004年よりカメラ付き携帯電話を用いた京都の五山の送り火の中継を行っている。2005年は、サーバの過負荷の為、中継を中断してしまった。2006年では、システムを改良し中継を行った。
京都の五山の送り火という限られた行事において、カメラ付き携帯電話を用いた静止画の中継を行なった撮影者の傾向について、報告を行う。
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| 図1. 2006年Flash 中継画面 | 図2. 2006年Ajax 中継画面 td> |
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| 図3. 2006年携帯用 中継画面 |
京都の送り火という限られた時間の中で、2006年の 中継において、どのような傾向があったかをみるために、撮影された中継画像、画像とともに送信された本文の内容、メールサーバ、Webサーバのログにより、撮影対象物、中継時間による撮影対象物の変化、画像とともに送信されたメール本文の内容等について、分析を行った。
中継方法
撮影には、カメラ付き携帯電話 ( 撮影者が通常している携帯電話 ) の他に、PCに接続したビデオカメラを用いた。
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| 図4. 中継システム図 |
ビデオカメラの中継画像は、社内LAN を利用し、画像処理端末にFTPで送信した。画像処理後は、WebサーバへSFTPで転送した。
携帯電話で撮影した画像とメール本文は、メールサーバからpop3で読み出し、Perlのスクリプトで処理した後、PostgreSQLに登録した。
このデータベースのデータからXMLファイルを作成し、画像と供に2台の中継用のサーバへ、SFTPで転送した。
FlashやAjaxの画面からXMLを読み込む形式とし、携帯電話からは、HTMLと静止画のコンテンツとした。
ビデオカメラによる中継は、毎年行なっているものである。ビデオカメラは、弊社屋上より右大文字を中継をした。その画像も共にFlashやAjax, 携帯電話用の画像に含めた。それ以外の山をカメラ付き携帯電話で撮影している。
五山の送り火の開始時間は、20:00からであるが、中継時間は18:00〜21:15である。
中継結果
送り火の点火前と点火後では、撮影時間の間隔や撮影対象物が異なることは、2005年と共通した特徴であり、他の共通点として自分の周辺のものや送り火に因んだもの、例えば読経の様子や送り火を行なう人々の行列等を撮影していた。
2006年の特徴としては、飲食や自分の持ち物、お店や撮影者同士の撮影する等、自分達により近い情報を撮影していた。
また画像とともに送信されたメール本文は、画像が送り火の様子であっても文章が異なる内容であるものが見らことや、また送り火の火が燃える音や子供達の声、太鼓の音等の音声情報、自分の感情が書かれているという、2005年との共通点が見られた。
2006年の特徴は、撮影時点迄の移動の様子や自分の行動をリポートする文章の増加や
美味しいお店やそのお店の様子や送り火の由来等、より読み手を意識した内容となっていた。
携帯電話用の中継ページは、携帯電話用のブラウザ でのアクセスが多かったが、中にはNetFront や Opera等のフルブラウザでのアクセスもあった。撮影者も携帯電話で中継を見てもらえればと考えたが、中継を行ないながら送り火を見ることは負荷が高く、ほとんど見ることはできなかった。
今後の課題
携帯電話で一人で刻々と変 わる送り火を撮影し、コメントを付けて送りながら、 他の撮影された送り火を楽しむためには、操作の面やバッテリーの消耗も含めて、撮影者個人の負荷が高い。
そのため撮影している送り火そのものや携帯電話の送り火中継の他の山を見ることは大変難しい。
今後の対策として、複数人で撮影と閲覧を交互に行なうことや可能であれば、その負荷軽減に繋がるのではないかと考えている。また音声認識によるテキストの入力を技術的に可能でかどうかも検討したい。また将来は、画像では表示しきれない音声情報等もあり、音声入力した動画や静止画による中継や、最近ではGPSデータとマップを連動することも可能なので、撮影者の安全性を考慮した上で、ルートマップも検討したいと考えている。
また様々なWeb APIと地域情報と連動したマッシュアップも検討したいと考えている。
※この内容は、モバイル学会 シンポジウムモバイル2007論文(pp.89-94) 及び発表資料を抜粋しています。



